「自分の年金は、毎月いくらもらえるのだろう?」
「年収や働いた年数で、どれくらい変わるの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
年金額は、現役時代の年収、厚生年金に加入した年数、受け取り始める年齢の3つで決まります。2026年度の国民年金(老齢基礎年金)は、満額で月70,608円です。会社員で平均年収500万円・40年加入なら、国民年金と合わせて月16万円台が目安です。
そこで本記事では、以下の内容について詳しく解説します。
- 国民年金・厚生年金の平均受給額
- 年収・加入年数・受給開始年齢別の早見表
- 独身・夫婦の手取り額の目安
- 年金額の調べ方と増やし方
参考にしてみてください。
年金受給額の平均|国民年金・厚生年金の月額目安
早見表の前に、受給者全体の平均を確認します。平均との差を知れば、自分の立ち位置が見えてくるはずです。
平均額は、次の2つの年金に分けて確認します。
- 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 厚生年金(老齢厚生年金)の受給額
自分の年金がどちらに当てはまるかを確かめながら読み進めてください。
国民年金(老齢基礎年金)の受給額
国民年金の満額は、2026年度で月70,608円です(昭和31年4月2日以後生まれの場合)。20歳から60歳までの480か月をすべて納めた人が、この額を受け取ります。
実際の受給権者の平均は、月5万9,310円です。男性は6万1,595円、女性は5万7,582円で、満額より1万円ほど低い水準にとどまります。理由は単純で、未納や免除の期間があると、その月数分だけ減る仕組みです。
厚生年金に加入せず基礎年金だけを受け取る人に絞ると、平均は5万6,337円とさらに下がります。国民年金だけで暮らす場合の目安は、満額でも7万円台どまりと覚えておきましょう。
出典:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和6年度末現在)。
厚生年金(老齢厚生年金)の受給額
厚生年金(第1号)の受給権者の平均は、国民年金部分を含めて月15万289円です。男性は16万9,967円、女性は11万1,413円で、約5万8,000円の開きがあります。
年齢別に見ると、65歳が14万9,862円、80歳が15万3,729円、90歳以上が16万4,027円です。高齢の層ほど高い傾向があります。月額15万円以上の受給権者は全体の約半数(49.8%)ですが、この数字には65歳未満の報酬比例部分だけを受け取る人も含まれます。
平均は、あくまで全員をならした数字です。自分の額は、次の早見表で年収と加入年数に当てはめて確かめましょう。
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和6年度末現在)。月額15万円以上の割合は、同資料の年金月額階級別の受給権者数から算出。
【早見表】年収・加入年数・受給開始年齢別の年金受給額
ここからは、計算式で求めた概算額を3つの切り口で並べます。いずれも税金や保険料を引く前の額面です。年収別と加入年数別は65歳から受け取る場合の月額で、2026年度の満額をもとにしています。
早見表は、次の3つの切り口で用意しました。
- 年収別の受給額早見表
- 加入年数別の受給額早見表
- 受給開始年齢別の受給額早見表
知りたい条件の表から読んでも問題ありません。
年収別の受給額早見表
老齢厚生年金は「平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数」で計算します(平成15年4月以降の加入分)。平均標準報酬額とは、給与と賞与を合わせた現役時代の平均月収のことです。40年間ずっと同じ年収だったと仮定すると、次の表のとおりです。
| 40年間の平均年収 | 厚生年金部分 | 基礎年金 | 合計(月額) |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 約7.3万円 | 約7.1万円 | 約14.4万円 |
| 500万円 | 約9.1万円 | 約7.1万円 | 約16.2万円 |
| 550万円 | 約10.0万円 | 約7.1万円 | 約17.1万円 |
| 600万円 | 約11.0万円 | 約7.1万円 | 約18.0万円 |
| 800万円 | 約14.6万円 | 約7.1万円 | 約21.7万円 |
| 1,000万円 | 約18.3万円 | 約7.1万円 | 約25.3万円 |
| 1,230万円以上 | 約22.5万円 | 約7.1万円 | 約29.5万円 |
ただし、上限があります。標準報酬月額は65万円、標準賞与額は1回150万円までです。
月給65万円と年3回の賞与150万円を満額で受け取った場合の年収は、1,230万円です。これを超える部分は年金額に反映されないため、年収1,500万円や2,000万円でも、1,230万円の人と受給額は変わりません。
なお、平成15年3月以前の加入期間は乗率が異なり、実際の額とはずれが出ます。端数処理の影響で、合計が合わない行もあります。
出典:日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」。年金額は筆者が計算した概算。
加入年数別の受給額早見表
平均年収500万円の人が、厚生年金に加入した年数別に受け取る月額です。厚生年金の期間以外は、国民年金も未加入だったと仮定しています。
| 厚生年金の加入年数 | 厚生年金部分 | 基礎年金 | 合計(月額) |
|---|---|---|---|
| 10年 | 約2.3万円 | 約1.8万円 | 約4.0万円 |
| 20年 | 約4.6万円 | 約3.5万円 | 約8.1万円 |
| 30年 | 約6.9万円 | 約5.3万円 | 約12.1万円 |
| 40年 | 約9.1万円 | 約7.1万円 | 約16.2万円 |
加入が1年延びるごとに、厚生年金部分は月約2,300円、基礎年金は月約1,800円増える計算です。
厚生年金が20年でも、残りの期間を国民年金で納めていれば、基礎年金は満額の70,608円です。厚生年金部分の4.6万円と合わせると、約11.6万円を受け取れます。
出典:日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」。年金額は筆者が計算した概算。
受給開始年齢別の受給額早見表
受け取り始める年齢によっても、月額は大きく動きます。平均年収500万円・40年加入の人が、65歳から受け取る約16.2万円を基準にした場合です。
| 受け取り始める年齢 | 増減率 | 月額(額面) |
|---|---|---|
| 60歳 | -24% | 約12.3万円 |
| 65歳 | 基準 | 約16.2万円 |
| 70歳 | +42% | 約23.0万円 |
| 75歳 | +84% | 約29.8万円 |
繰上げ受給は、1か月早めるごとに0.4%減ります(最大24%)。昭和37年4月1日以前生まれの人は、0.5%(最大30%)です。
繰下げ受給は、1か月ごとに0.7%増え、75歳で最大84%。いずれも、決まった増減率は一生続きます。
出典:日本年金機構「年金の繰上げ受給」「年金の繰下げ受給」。月額は筆者が計算した概算。
年金の手取り額早見表|独身・夫婦の毎月の受取額
口座に振り込まれるのは、額面から税金や保険料を引いた後の金額です。独身と夫婦に分けて、手取りの目安を示します。
手取りの目安は、次の3つの順に示します。
- 年金から差し引かれる税金・社会保険料
- 独身の手取り額早見表
- 夫婦の手取り額早見表
天引きの仕組みから読むと、表の数字の意味がつかめます。
年金から差し引かれる税金・社会保険料
年金から差し引かれる主な項目は、介護保険料、国民健康保険料(税)または後期高齢者医療保険料、住民税、所得税の4つです。令和8年度からは、医療保険料とあわせて子ども・子育て支援金も徴収されています。
介護保険料の全国平均は、第9期(令和6〜8年度)で月6,225円です。ただし、額は市区町村ごとに異なります。所得税は、年金額から社会保険料と各種控除を引いた額に、5.105%を掛けた金額です。
天引き額に全国共通の率はなく、住んでいる自治体と所得で変わります。そこで本記事の手取りは、額面の85〜90%として計算した目安です。自分の天引き額は、年金振込通知書で確認しましょう。
出典:日本年金機構「年金振込通知書」、厚生労働省「第9期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料について」(令和6年5月)。
独身の手取り額早見表
| 年金の受け取り方 | 額面(月額) | 手取りの目安 |
|---|---|---|
| 国民年金のみ(満額) | 70,608円 | 約6.0〜6.4万円 |
| 国民年金のみ(平均) | 56,337円 | 約4.8〜5.1万円 |
| 厚生年金あり(受給権者の平均) | 150,289円 | 約12.8〜13.5万円 |
| 厚生年金あり(年収500万円・40年) | 161,958円 | 約13.8〜14.6万円 |
国民年金のみの場合、手取りは満額でも月6万円前後です。家賃や食費をまかなうのは難しく、貯蓄の取り崩しや就労収入と組み合わせる前提で考えます。
一方、厚生年金がある人は、手取りで13万円台から14万円台です。年金のほかに必要な生活費がいくらあるかを、先に確認しておきましょう。
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」、日本年金機構。手取りは額面の85〜90%として筆者が計算。
夫婦の手取り額早見表
夫婦の場合は、2人分の年金額を合計して考えます。代表的な3つの組み合わせで比べてみましょう。
| 夫婦の組み合わせ | 額面の合計(月額) | 手取りの目安 |
|---|---|---|
| 夫婦とも国民年金のみ(満額) | 141,216円 | 約12.0〜12.7万円 |
| 夫が厚生年金(年収550万円・40年)、妻が国民年金のみ(満額) | 241,701円 | 約20.5〜21.8万円 |
| 夫が厚生年金(年収500万円・40年)、妻が厚生年金(女性の受給権者の平均) | 273,371円 | 約23.2〜24.6万円 |
違いは、組み合わせしだいです。厚生労働省のモデル年金は月237,279円(2026年度)で、平均的な賃金で40年働いた会社員と専業主婦の世帯を想定しています。手取りにすると、約20.2〜21.4万円です。
モデル年金は、あくまで標準的な世帯の試算です。夫婦それぞれの加入歴で額は変わるため、2人分の見込額を別々に確認する必要があります。
出典:厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」、日本年金機構。額面の合計は筆者が計算、手取りは額面の85〜90%として算出。
自分の年金受給額を確認・試算する方法
早見表は、あくまで平均的なケースの目安です。実際の見込額は、公的なツールで調べられます。
見込額を調べる方法は、次の2つです。
- ねんきん定期便での確認
- ねんきんネット・公的年金シミュレーターでの試算
手元の書類やパソコンで、今日から確認できます。
ねんきん定期便での確認
ねんきん定期便は、日本年金機構から届くはがきです。60歳未満の人には、「現在の加入条件が60歳まで続いた」と仮定した、65歳から受け取る年金の見込額が載ります。老齢基礎年金と老齢厚生年金の内訳つきで、70歳・75歳まで遅らせた場合の見込額も、同じはがきで確認できます。
50歳未満の場合は、これまでの加入実績だけをもとにした額で、将来の加入分は含まれません。
見込額は、税金や保険料を引く前の額面です。手元にはがきがあれば、早見表の額と見比べてみましょう。
出典:日本年金機構「令和8年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方(50歳以上の方)」。
ねんきんネット・公的年金シミュレーターでの試算
条件を変えて試算するなら、日本年金機構の「ねんきんネット」と、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」があります。
公的年金シミュレーターは、働き方、期間、年収、受給開始年齢を入力するだけの簡易ツールです。加給年金や振替加算は、計算の対象外です。
年収から標準報酬も機械的に算出するため、結果は実際の年金額と一致するとは限りません。入力しなかった期間は、未納として扱われます。
より詳しい試算が必要なら、ねんきんネットを使う場面です。受給開始年齢や退職時期を変えて何通りか試せば、繰下げの効果も見えてくるはずです。
出典:厚生労働省「公的年金シミュレーター 利用上の注意」。
年金受給額を増やす方法
見込額が想定より少なくても、打てる手は残っています。
年金額を増やす手段は、次の3つです。
- 60歳以降の厚生年金加入
- 国民年金の任意加入
- 受給開始の繰下げ
自分の年齢や働き方に合うものから検討してください。
60歳以降の厚生年金加入
厚生年金は70歳まで加入でき、65歳以上は在職定時改定で毎年10月に年金額が見直される仕組みです。標準報酬月額20万円の人が1年働くと、年金額は約1.3万円増える、との例も示されています。
平均年収500万円なら、1年の加入で厚生年金部分は月約2,300円、年約2.7万円の増額です。基礎年金が満額に届いていない人は、そちらも増えます。
ただし、給与と年金の合計が月65万円を超えると、年金の一部が支給停止になります(2026年4月から)。働き方を決める前に、手取りの合計も試算しておきましょう。
出典:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」。月額の増加分は筆者が計算。
国民年金の任意加入
老齢基礎年金の満額に届かない人は、60歳以上65歳未満の間、国民年金に任意加入して納付月数を増やせます。対象は、日本国内に住み、納付済みの月数が480月未満で、厚生年金などに加入していない人です。
1か月納めるごとに、年金額は年約1,765円(満額847,300円÷480月)増えます。5年(60か月)で月約8,800円です。保険料は令和8年度で月17,920円なので、60か月で約107万円を納め、増額分だけで取り戻すには約10年かかる計算です。
月400円の付加保険料を上乗せすると、老齢基礎年金に「200円×納付月数」が年額で加算されます。
出典:日本年金機構「国民年金保険料」「任意加入制度」。回収年数は筆者が計算。
受給開始の繰下げ
受け取りを1か月遅らせるごとに、年金は0.7%増えます。
| 請求する年齢 | 増額率 |
|---|---|
| 66歳 | 8.4% |
| 67歳 | 16.8% |
| 68歳 | 25.2% |
| 69歳 | 33.6% |
| 70歳 | 42.0% |
| 75歳 | 84.0% |
70歳まで繰り下げた場合、65歳から受け取った場合の累計額に追いつくのは、81歳11か月ごろです(額面ベースの計算)。それより長生きすれば、受け取る総額は多くなります。損得を分けるのは、寿命です。
注意点は、待機中は年金を受け取れないことです。加給年金と振替加算は増額の対象外で、増えた分は遺族厚生年金にも反映されません。体調や家計の状況を踏まえ、年金事務所で相談しながら決めましょう。
出典:日本年金機構「年金の繰下げ受給」。累計額の分岐点は筆者が計算。
まとめ|早見表で目安をつかみ、自分の見込額を確認する
年金受給額は、平均年収と加入年数で大きく変わります。平均年収500万円・40年加入の会社員なら、65歳からの額面は月約16.2万円、手取りは約13.8〜14.6万円が目安です。夫婦の手取りは、2人の加入歴の組み合わせで月12万円台から24万円台まで開きます。
早見表は目安にすぎません。まずは、ねんきん定期便かねんきんネットで自分の見込額を確認しましょう。足りない分は、調整できます。
働き方の見直しや繰下げが、その手段です。個別の年金額や手続きは、お近くの年金事務所や社会保険労務士に相談してください。
