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FP相談では何を聞く?相談内容別の質問例や事前準備・注意点を解説

fp相談 何を聞く

「FP相談を予約したけれど、何を聞けばいいのか分からない」そんな戸惑いは、珍しくありません。「お金の知識がなくて、恥をかかないか心配」このような疑問をお持ちではありませんか?

質問が浮かばない原因は、知識の量ではなく型の有無です。聞く分野と聞き方の型を知らないだけなのです。相談時間は60分前後と限られるため、型を先に手に入れておくと差が出ます。

そこで本記事では、以下の内容について解説します。

  • 家計・保険・教育費・老後資金・住宅ローンの質問例
  • 費用や報酬など、担当者への確認事項
  • 事前に用意する書類と質問リストの作り方
  • 契約で後悔しないための注意点

読み終えたら、質問リストを1枚作るところから始めましょう。ぜひ参考にしてみてください。

目次

FP相談では何を聞く?相談内容別の質問例5選

FP相談の質問は、「わが家の数字」と「知りたいこと」をセットにすると、答えが具体的に返ってきます。5つの分野それぞれの、聞く順番と質問例は次のとおりです。

質問例は、次の5分野です。

  1. 家計管理|毎月の支出で見直すべきところは?
  2. 保険|自分や家族に必要な保障はどれくらい?
  3. 教育資金|子どもの教育費はいくら準備すればよい?
  4. 老後資金|老後の生活費はいくら不足する?
  5. 住宅ローン|繰り上げ返済や借り換えは検討すべき?

家計、保険、教育費、老後資金、住宅ローンの順に見ていきます。

家計管理|毎月の支出で見直すべきところは?

家計の相談は、現状の確認から始まります。日本FP協会の相談の流れでも、最初に収入・支出・預金・ローン・保険を確認し、そのうえで家計のムダや無理を分析します。見直しの出発点は固定費です。

住居費・通信費・水道光熱費・保険料は、一度下げれば毎月の効果が続きます。一方、食費や日用品費のような変動費は、意識しても月ごとにぶれやすい費目です。

総務省の家計調査では、二人以上の世帯の消費支出は2025年平均で月31万4,001円でした。ただし、世帯人数や住まいによって水準は変わるため、平均との差だけでは良し悪しを判断できません。聞くべきは平均との比較ではなく、わが家でどの固定費から手をつけるかです。

  • 固定費と変動費の割合は、偏っていないか
  • 通信費・保険料・住居費のうち、どれから下げると差が大きいか
  • 教育費とローンの負担が重なる時期に向けて、毎月いくら貯蓄に回せるか

保険|自分や家族に必要な保障はどれくらい?

保険の相談で最初に聞くのは、商品名ではなく「いくら足りないか」です。必要保障額は、万一のときにかかる支出から、公的年金などの収入と貯蓄を引いた額が目安です。会社員の家庭では、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れる場合があります。

令和8年度の遺族基礎年金は年84万7,300円で、子の加算は2人目まで1人あたり24万3,800円が加わります。亡くなった人に生計を維持されていたことなど、受給の要件もあるので注意が必要です。

生命保険文化センターの2025年度調査では、世帯主に万一があったときに必要と考える死亡保険金は平均1,569万円、実際の加入額は平均887万円でした。ただし意識調査の平均にすぎず、わが家の必要額とは別物です。

  • 万一のとき、公的年金と勤め先の保障でどこまでまかなえるか
  • 公的保障を引いたあと、民間の保険で備える不足額はいくらか
  • 今の契約に、保障の重複や不足はないか

教育資金|子どもの教育費はいくら準備すればよい?

教育費は、進路が公立か私立かで桁が変わります。文部科学省「子供の学習費調査」(令和5年度、2026年1月に数値を訂正)による年間の学習費総額は、次のとおりです。

学校種公立私立
幼稚園18万4,646円34万7,338円
小学校36万6,599円174万1,516円
中学校54万2,450円156万359円
高等学校59万6,954円117万9,261円

学習費総額は、学校教育費・学校給食費・学校外活動費(習い事など)の合計です。大学は別枠で、私立大学の令和7年度入学者の初年度納付金は平均150万7,647円でした。

聞くのは「いくら貯めるか」の1点に絞りません。進路の想定を2〜3通り置き、時期ごとの必要額と毎月の積立額をFPに試算してもらうと、判断材料が揃います。

  • 公立でも私立でも対応できる貯め方は、どう組み立てるか
  • 子どもの年齢差で、大学の費用がかかる時期はどれだけずれるか
  • 児童手当は、教育費の積立にどう回せばよいか

老後資金|老後の生活費はいくら不足する?

老後資金の相談は、平均の不足額ではなく、夫婦それぞれの年金額から始めます。ねんきん定期便を持参すれば、見込額で試算できます。

総務省の家計調査(2025年)では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は月25万4,395円、消費支出は26万3,979円でした。税金や社会保険料を含めた毎月の不足は約4万2,400円です。

令和8年度の標準的な年金額は、夫婦2人分で月23万7,279円です。平均標準報酬45.5万円で40年間就業したモデルの額なので、実際の受給額は人によって違います。生命保険文化センターの2025年度調査によると、夫婦2人の老後の最低日常生活費は月23.9万円、ゆとりある生活費は月39.1万円でした。

現役世代にとって、老後はまだ先の話です。そのため、いま聞くのは不足額の予想より、「何歳までにいくら貯めれば足りるか」の道筋です。

  • ねんきん定期便の見込額で、夫婦の年金はいくらになるか
  • 今の貯蓄ペースで、60代・70代の生活費をまかなえるか
  • 新NISAやiDeCoを使う場合、何から始めればよいか
  • 定年後も働くと、不足額はどう変わるか

住宅ローン|繰り上げ返済や借り換えは検討すべき?

返済中の人が聞くのは、繰り上げ返済と借り換えのどちらが得か、そもそも動く必要があるかの2点です。判断の材料は、残高・金利・残りの返済期間です。フラット35の場合、繰り上げ返済の手数料はかかりません。

一部繰上返済の最低額は、窓口が100万円以上、インターネットの「住・My Note」が10万円以上です。一部繰上返済のあとで返済期間が10年未満になると、住宅借入金等特別控除の対象から外れる点にも注意が必要です。

借り換えには、融資手数料・登録免許税・司法書士報酬といった諸費用がかかります。金利が下がっても、費用を引いたあとで総返済額が減るかは別の話です。

なお、民間の銀行は手数料や条件が金融機関ごとに異なります。借入先に事前に確認してください。

  • 今の金利と残高で、借り換えを考える意味はあるか
  • 繰り上げ返済に回す資金と、教育費・老後資金の積立は、どう配分するか
  • 住宅ローン控除が使える期間に繰り上げ返済をすると、どうなるか
  • 金利が上がったら、返済額はどう変わるか

FP相談で担当者に確認しておきたいこと

質問の中身と同じくらい、相談相手の確認は結果を左右する要素です。申込みの段階で聞いておくと、当日のすれ違いを防ぐ近道です。

確認したいのは、次の3点です。

  1. 相談費用や追加料金は発生するか
  2. 相談したい分野の知識や実績は十分にあるか
  3. 金融商品の販売や契約によって報酬を得ているか

費用、知識と実績、報酬の仕組みの順に確かめます。

相談費用や追加料金は発生するか

FP相談の費用は、相談料の有無と、プラン作成などの追加料金の有無を分けて確認します。日本FP協会の案内でも、相談料やプラン作成料などの疑問は、申込みの際に聞くよう勧めています。日本FP協会の無料体験相談は、対面が1枠50分、電話が原則30分1回限りです。

特定の商品の勧誘を目的としない相談で、電話では金融商品の紹介や個別銘柄の選定にも答えません。有料相談の料金はFPごとに異なり、日本FP協会のCFP認定者検索でも、1時間あたりの相談料で絞り込めます。

無料か有料かの前に、「どこまでが無料の範囲か」を聞きます。

  • 初回は無料か、2回目以降は有料か
  • ライフプラン表などの作成は別料金か
  • 相談後のフォローや再相談に費用はかかるか
  • キャンセル料や支払い方法はどうなっているか

相談したい分野の知識や実績は十分にあるか

FPは職業名で、資格がなくても名乗れます。肩書きは、次のように整理できます。

名称位置づけ見るポイント
FP(職業名)誰でも名乗れる資格の有無は別に確認する
FP技能士(1〜3級)国家検定合格者以外は名乗れない
AFP日本FP協会の認定資格2年ごとの更新が必要
CFP国際組織との契約のもと日本FP協会が認定同上

資格があっても、得意分野が自分の悩みと重なるとは限りません。住宅ローンの相談なのに保険が専門のFPでは、答えが浅くなります。「同じ年代・家族構成の相談経験はあるか」「住宅ローンや教育費の相談は年に何件ほどか」と聞いておきましょう。

AFP・CFPの認定者には、日本FP協会の倫理規程で顧客の秘密を守る義務があります。家計を見せるのが恥ずかしいという不安を和らげる材料です。

金融商品の販売や契約によって報酬を得ているか

FPの報酬は、相談者が払う相談料と、金融機関や保険会社が払う手数料の2系統に分かれます。無料で受けられる窓口には、商品が契約されたときに保険会社などから受け取る手数料を収入源にしているところがあります。手数料がある相談は悪い、という話ではありません。

仕組みを知ったうえで、提案を判断することが目的です。保険の募集では、募集人が顧客の意向を確かめて提案する義務を負い、複数社の商品を扱う代理店には商品を絞り込んだ理由の説明が求められます。

聞き方は、角を立てずに事実だけ確認すれば十分です。

  • 相談料以外に、保険会社や金融機関から報酬を受け取っているか
  • 提案できる商品は、何社の中から選んでいるか
  • 商品を契約しなくても、相談だけで終えられるか

FP相談の前に準備しておくこと

日本FP協会が示す相談の流れは、希望確認、現状把握、分析・評価、プラン作成、実行の支援の5段階です。前半の2段階では、相談者の側の準備が結果を左右します。

準備は、次の4つです。

  1. 相談したい悩みと優先順位を整理する
  2. 家計の収支や貯蓄額を把握する
  3. 保険証券や住宅ローンの返済予定表などを用意する
  4. 聞きたい質問をリストアップする

悩み、収支、書類、質問の順にそろえます。

相談したい悩みと優先順位を整理する

60分では、すべての悩みを深く聞けません。気になることを家計・保険・教育費・老後・住宅ローンに分けて書き出し、3つまでに絞ります。

絞り方は2段階です。まず、いま判断が必要なものと、数年先でよいものに分けます。次に、その中で不安が強い順に並べます。

お金の影響が大きい順でなくても構いません。何が分からないのかも分からないときは、次の項目で家計の数字を先に出します。数字が並ぶと、悩みの輪郭が見えやすくなります。

分野悩みいつまでに知りたいか優先順位
例)住宅ローン借り換えは得か今回1

家計の収支や貯蓄額を把握する

FPが最初に見るのは、収入・支出・貯蓄・負債の4つです。会社員の収入は、源泉徴収票で収入・所得税・社会保険料を確認できます。住民税の確認先は、給与明細か納税通知書です。

支出は、通帳やクレジットカードの明細から直近3か月分ほどを拾い、固定費と変動費に分けます。貯蓄は預貯金・投資・保険の解約返戻金を一覧にし、負債はローンの残高を書きます。

数字は概算で十分です。家計簿がなくても相談はできます。日本FP協会の案内も、家計簿や資産の一覧は「あれば持参」としています。

夫婦で収入と口座が別なら、両方の分を揃えておきましょう。片方だけでは、家計の全体像が描けません。

保険証券や住宅ローンの返済予定表などを用意する

持参する書類は、相談内容によって変わります。老後資金ならねんきん定期便と金融資産の明細、保険なら保険証券、住宅ローンなら返済予定表と年末残高証明書が中心です。

相談分野主な書類
家計全般通帳・カード明細・源泉徴収票・家計簿
保険保険証券・契約内容のお知らせ
住宅ローン返済予定表・年末残高証明書
老後資金ねんきん定期便・金融資産の明細
教育費学資保険の証券・子どもの預金の明細(あれば)

全部そろわなくても、手元にあるもので相談を始められます。申込み時に相談内容を伝えて、必要な資料を案内してもらうのが近道です。オンライン相談では、画像やPDFで送る場合もあります。個人情報を含むため、送る前に扱いの方針を聞いておきましょう。

聞きたい質問をリストアップする

質問は1枚にまとめます。前章の質問例から、自分に近いものを選んで言い換えれば足ります。書き方の型は、「分野」「現状の数字」「知りたいこと」の3点です。

たとえば「住宅ローン残高2,800万円、金利0.8%で、繰り上げ返済は得か」のように書きます。この数字は架空の例です。数字が入ると、FPの答えも具体的に返ります。

優先度の高い順に番号を振り、回答を書き込む余白も残します。聞ける数は、60分なら5〜7個ほどが目安です。

数が多すぎると、一問ごとの答えが浅くなります。「分からないので教えてください」と書いて構いません。知識の水準に合わせて説明するのは、FPの仕事です。

FP相談で後悔しないための注意点

提案を受けてから迷うより、受ける前に基準を決めておくほうが、判断は楽です。聞く姿勢、契約のタイミング、相談後の動き方の3点で、基準を用意しておきましょう。

押さえたい注意点は、次の3つです。

  1. 提案内容のメリットとデメリットを確認する
  2. 勧められた金融商品をその場で契約しない
  3. 相談後に取り組むべき行動を明確にする

提案の確認、契約のタイミング、相談後の行動の順に紹介します。

提案内容のメリットとデメリットを確認する

提案を聞いたら、良い点だけでなく弱点も尋ねます。保険なら、保障の内容に加えて、払い込む保険料の総額、解約したときの返戻金、払込期間を確認します。投資商品なら、手数料、元本割れの可能性、途中で現金にできるかが論点です。

「ほかの選択肢と比べて、なぜこれを勧めるのか」も聞いておきましょう。理由が数字で返ってくれば、納得しやすくなります。答えが曖昧なら、保留の合図です。

その場で答えがもらえなければ、書面の資料をもらって持ち帰ります。口頭の説明だけで決めません。

  • この提案で、わが家に不利になる点は何か
  • 支払う総額と、解約したときに戻る額はいくらか
  • ほかの選択肢と比べた理由は何か

勧められた金融商品をその場で契約しない

その場で契約しなくて困ることは、ほとんどありません。持ち帰り、家族と話し、ほかのFPや窓口の意見も聞いてから決めれば十分です。「家族と相談して、後日連絡します」と伝えれば、断る理由として足ります。

保険には、クーリング・オフ制度があります。保険業法に基づき、書面を受け取った日か申込みをした日の遅いほうから8日以内なら、申込みの撤回や契約の解除が可能です。保険期間が1年以下の契約などは、対象外です。

保険以外の商品は、制度の有無が商品ごとに違います。制度は最後の保険であり、頼る前提にはしません。

契約前の納得が大前提です。契約後に不安が出たときは、保険会社の相談窓口や消費生活センターに問い合わせる手もあります。

相談後に取り組むべき行動を明確にする

相談の最後に、「次に何をするか」を確認して終えます。FPに「いま優先して取り組むことを3つ挙げるとしたら何か」と聞いてみましょう。そのうえで、誰が・いつまでに・何をするかを決めます。

例は、保険証券の整理、借入先への条件確認、家族での教育費の話し合いです。どれも期限を置くと動きやすい項目です。

日本FP協会の相談の流れでは、最後の段階で、手続きの支援や専門家の紹介を受けられます。再相談が必要か、その費用はいくらかも、その場で聞いておきます。

相談から1週間以内に、メモを整理して家族に共有しておきたいところです。同席しなかった家族がいれば、なおさらです。

まとめ|FP相談で聞くことを整理して、お金の悩みを解消しよう

FP相談で聞くことは、家計・保険・教育費・老後資金・住宅ローンの5分野に整理できます。分野ごとに、わが家の数字と知りたいことを組み合わせれば、質問は組み立てられます。

相談の前には、費用と報酬の仕組みを確認し、悩みの優先順位、収支の概算、必要書類、質問リストを用意します。当日は、提案の良い点と弱点を両方聞き、その場で契約せず、相談後の行動を決めて終えます。

最初の一歩は、質問リストを1枚書くことです。完璧でなくても、数字つきの質問が3つあれば、60分は十分に使えます。

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この記事を書いた人

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種資格保有。金融・保険・年金・税金・不動産分野を中心に、これまで1,000本以上の記事を執筆。金融記事の監修や編集にも携わり、公的機関の資料や一次情報をもとに、専門的な制度や仕組みをわかりやすく解説しています。

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