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年金繰り下げの損益分岐点は何歳?66歳~75歳の早見表と手取りでの計算方法

年金繰り下げ損益分岐点分析

「70歳まで繰り下げたら、何歳で65歳受給を追い抜くのか。」
「税金や保険料を引いた手取りで見ると、損益分岐点は変わるのではないか。」

こうした疑問を抱えたまま、年金の受け取り方を決めかねている方は少なくありません。

答えを先にお伝えします。額面で見た損益分岐点は、繰り下げを始めた年齢の約12年後です。70歳から受け取るなら、約82歳で65歳受給の累計に並びます。

手取りで見ると、この年齢は0.5〜2年ほど後ろにずれます(本記事の概算)。加給年金や在職老齢年金が絡めば、さらに遅れる場合もあります。

本記事では、次の内容を解説します。

  • 66歳〜75歳までの損益分岐点の早見表
  • 増額率と累計受給額の計算方法
  • 税金・社会保険料を引いた手取りの試算
  • 繰り下げる前に確認したい6つのポイント

自分の条件に当てはめながら、納得できる受給開始年齢を考える材料にしてください。

目次

年金繰り下げの損益分岐点は何歳?【年齢別早見表】

損益分岐点は、繰り下げを始めた年齢に約12年を足した年齢になります。増額率は月0.7%、1年で8.4%です。1÷0.084=約11.9年で、増額分が待機中に受け取れなかった年金に追いつきます。

下の表は、65歳時点の年金額を月20万円(年240万円)と仮定した早見表です。額面の単純計算で、税金・保険料・物価の変動は含めていません。

繰り下げ開始増額率月額損益分岐点
66歳8.4%21.68万円約78歳
67歳16.8%23.36万円約79歳
68歳25.2%25.04万円約80歳
69歳33.6%26.72万円約81歳
70歳42.0%28.40万円約82歳
71歳49.8%29.96万円約83歳
72歳58.8%31.76万円約84歳
73歳67.2%33.44万円約85歳
74歳75.6%35.12万円約86歳
75歳84.0%36.80万円約87歳

「約82歳」は、82歳を迎える少し前(81歳11か月ごろ)に累計が並ぶという意味です。82歳を超えて生きれば、繰り下げ側が上回ります。

66歳から繰り下げた場合の損益分岐点:約78歳

66歳からの繰り下げは、増額率が8.4%と小さめです。月20万円の年金は21.68万円になり、増額は月1.68万円、年にして約20万円です。

65歳受給の累計に並ぶのは、約78歳(77.9歳)。待つ期間は1年だけなので、待機中の生活費の負担も軽めです。

一方、長生きしたときの上乗せも限られます。85歳時点の累計差は約143万円にとどまります。繰り下げを試してみたい方が選びやすい、いちばん軽い選択肢です。

67歳から繰り下げた場合の損益分岐点:約79歳

67歳からの繰り下げは、増額率が16.8%になります。月20万円が23.36万円になり、65歳受給との差は月3.36万円、年約40万円です。

累計が並ぶのは約79歳(78.9歳)。85歳時点の差は約246万円まで開きます。

待機は2年間。この間の生活費を給与や貯蓄で賄えるかが、分かれ目になります。

健康に不安はないが、70歳まで待つ自信もない。そんな方が落としどころにしやすい年齢です。

68歳から繰り下げた場合の損益分岐点:約80歳

68歳からの繰り下げは、増額率が25.2%です。月20万円が25.04万円になり、年にして約60万円増えます。累計が並ぶのは約80歳(79.9歳)。

厚生労働省の令和7年簡易生命表(2026年7月公表)では、65歳男性の平均余命は19.68年、約84.7歳でした。約80歳という分岐点は、平均余命の手前にあります。

ただし、平均余命は個人の寿命を予測する数字ではありません。個人差は大きいものです。自分の健康状態や家族歴と合わせて見てください。

70歳から繰り下げた場合の損益分岐点:約82歳

70歳からの繰り下げは、増額率が42%と大きくなります。月20万円が28.4万円になり、毎月8.4万円、年にして約101万円の上乗せです。

65歳受給との累計は、約82歳で並びます。分岐点の前後で、差は次のように動きます。

到達年齢65歳受給の累計70歳繰り下げの累計差
80歳3,600万円3,408万円−192万円
82歳4,080万円4,090万円+10万円
85歳4,800万円5,112万円+312万円
90歳6,000万円6,816万円+816万円
95歳7,200万円8,520万円+1,320万円

80歳までに亡くなれば、約192万円の不足です。90歳まで生きれば、約816万円の上回りになります。増額は一生続くため、長生きしたときの備えとして働きます。

代わりに、5年間の待機中は年金がありません。生活費を別に用意しておくことが前提です。

75歳から繰り下げた場合の損益分岐点:約87歳

75歳からの繰り下げは、増額率が上限の84%になります。月20万円が36.8万円、年にして約442万円です。累計が並ぶのは約87歳(86.9歳)。

85歳時点では、65歳受給より約384万円下回ります。90歳で約624万円、95歳で約1,632万円の上回りです。

厚生労働省の令和7年簡易生命表によると、出生した方のうち90歳まで生きるのは男性で26.7%、女性で50.8%。90歳は、男女で2倍近い開きがあります。

待機は10年に及びます。その間の収入と、75歳以降の医療・介護費の備えまで見通せる方向けの選択です。

年金繰り下げの損益分岐点の計算方法

早見表の数字は、3つの手順で自分でも出せます。増額率を求め、65歳受給の累計を出し、2つの累計を比べるという流れです。自分の年金額で試すと、判断の精度が上がります。

繰り下げによる年金の増額率を計算する

増額率は、「0.7%×65歳に達した月から繰り下げを申し出る月の前月までの月数」で決まります。日本年金機構の案内にある計算式です。

1年(12か月)で8.4%、5年(60か月)で42%、10年(120か月)で84%になります。繰り下げられるのは66歳から75歳までで、一度決まった増額率は一生変わりません。

月単位で選べるため、69歳6か月に申し出るなら、54か月×0.7%=37.8%の増額です。月20万円なら27.56万円になります。

昭和27年4月1日以前に生まれた方は、上限が70歳(最大42%)です。自分の生年月日で、どちらに当たるか確かめておきましょう。なお、加給年金と振替加算は増額の対象になりません。

65歳から受給した場合の累計受給額を計算する

比較の基準は、65歳から受け取ったときの年金額です。ねんきん定期便やねんきんネットに載る見込額を使います。

累計は、「年金額×受け取った年数」で出ます。年240万円なら、80歳までの15年で3,600万円、90歳までの25年で6,000万円です。

繰り下げた場合は、「増額後の年金額×(到達年齢−繰り下げ開始年齢)」で出します。2つの累計が並ぶ年齢が、損益分岐点です。式にすると、こうなります。

損益分岐点=(開始年齢×増額後の年額−65×65歳の年額)÷(増額後の年額−65歳の年額)

70歳の場合は、次のとおりです。(70×340.8−65×240)÷(340.8−240)=81.9歳。約82歳という数字は、この式から出ています。

繰り下げ後の累計受給額をグラフで比較する

グラフにすると、損益分岐点が目で見えます。作り方は単純です。横軸を年齢、縦軸を累計受給額にして、65歳受給の線と繰り下げの線を重ねます。

繰り下げの線は、開始年齢まで0円のまま動きません。そこから急な傾きで立ち上がり、65歳受給の線と交わります。この交点が損益分岐点です。

70歳繰り下げなら、交点は82歳付近。その後は、年に約101万円ずつ差が広がります。

見るべき点は、2つあります。交点より手前で亡くなった場合の差(マイナス)と、交点を過ぎた後の差(プラス)です。損益分岐点だけでなく、この2つを並べて初めて、自分にとっての損得が見えてきます。

年齢ごとの違いは、66歳・68歳・70歳・75歳の線を重ねると一目瞭然です。表計算ソフトで作れるほか、ねんきんネットでも受給開始時期ごとの見込額を試算できます。

年金繰り下げの損益分岐点は手取りでどう変わる?

額面の損益分岐点は、あくまで「入ってくる額」の比較にすぎません。実際に使えるのは、税金と社会保険料を引いた手取りです。年金が増えれば、引かれる額も増えます。

所得税の負担が増える

公的年金は雑所得として、所得税の対象になります。65歳以上で他の所得が1,000万円以下なら、公的年金等控除は収入330万円以下で110万円です。

年240万円の方が70歳まで繰り下げると、年金は年約341万円になります。330万円を超えた分は控除の計算式が変わり、課税の対象になる部分が増えます。

所得税の税率は、課税所得195万円までが5%、195万円超330万円までが10%です。増えた年金には、この税率で税金がかかる仕組みです。基礎控除は合計所得金額に応じて変わり、令和8年分から金額の見直しもあります。

配偶者の所得が一定額以下なら、配偶者控除も使えます。自分の控除額は、年金の源泉徴収票や確定申告で確認してください。

なお、増額が理由で特別に税金が増えるわけではありません。年金額が増えた分に、通常の税率がかかるだけです。

住民税の負担が増える

住民税は、前年の所得をもとに翌年度にかかります。所得割の税率は標準で10%です。年金から天引きされるのが通例で、増額が始まった翌年に税額が上がります。

所得税より、控除が小さい点にも注意が必要です。住民税の基礎控除は43万円で、所得税とは別の計算になります。均等割は自治体で金額が異なるため、市区町村に確認しましょう。

増えた年金に、所得税5%と住民税10%が重なれば、増額分の約15%が税金で引かれます。課税所得が増える方は、所得税の税率が10%に上がり、引かれる割合はさらに高くなります。

繰り下げの開始時期と、住民税が上がる時期にはずれがあります。受け取り始めた最初の1年は、住民税が低いまま推移する点も押さえておきましょう。

医療保険料・介護保険料の負担が増える

65歳以降の国民健康保険料や介護保険料は、前年の所得や年金額に応じて決まります。年金が増えれば、保険料も上がる仕組みです。計算の仕方は、市区町村ごとに異なります。

医療費の窓口負担も要注意です。70〜74歳では、課税所得が145万円以上あり、収入が一定額(単身で383万円)以上だと、窓口負担は3割です。基準の見直しも議論されており、制度は変わる可能性があります。

75歳になると、後期高齢者医療制度に移ります。75歳まで繰り下げた方は、受け取り始めの時点でこの制度の対象です。増額による保険料の上がり幅は、前年の所得で判定される仕組みのため、翌年から反映されます。

保険料と窓口負担の区分は、自治体と加入先で異なります。自分の条件は、市区町村の窓口に確認するのが確実です。

手取りでの損益分岐点を試算する

手取りでの損益分岐点は、次の3ステップで出せます。

  1. 65歳受給と繰り下げ後の年金額から、それぞれの税金と保険料を引く。
  2. 引いた後の年間手取り額を出す。
  3. 額面の計算と同じ式に、手取り額を入れる。

年240万円と年360万円の2つのケースで、本記事で概算した結果を示します。単身扱いで、令和7年分の税制を前提にし、社会保険料は年金収入の10%と仮定しました。実際の数字は、人によって異なります。

繰り下げ開始額面手取り(年240万円)手取り(年360万円)
66歳77.9歳79.9歳78.4歳
67歳78.9歳80.7歳79.5歳
68歳79.9歳81.6歳80.5歳
70歳81.9歳83.5歳83.0歳
75歳86.9歳88.3歳88.4歳

手取りの分岐点は、額面より0.5〜2年ほど遅くなりました。70歳繰り下げで年240万円の場合、増額分(年約101万円)のうち、手取りで増えるのは約77〜85万円です。遅れる幅は、年金額・他の所得・扶養・自治体で変わります。自分の数字は、ねんきんネットの見込額を使い、税金と保険料を自治体の試算で確かめましょう。

年金繰り下げで損をしないために確認したいポイント

損益分岐点は、判断の入口にすぎません。数字に表れない部分で、損得が変わることがあります。繰り下げが向く方と向かない方を、先に整理しておきましょう。

向く人向かない人
待機中の生活費を、貯蓄や収入で賄える待機中の生活費が足りなくなる
健康で、家族に長寿の人が多い持病があり、平均余命が短いと見込む
妻が自分の年金で生活できる夫の遺族年金に頼る妻がいる
加給年金の対象にならない加給年金を受け取れる

自分の健康状態と平均余命を確認する

厚生労働省の令和7年簡易生命表では、65歳男性の平均余命は19.68年、女性は24.52年です。65歳男性は約84.7歳、女性は約89.5歳まで生きる計算になります。

70歳繰り下げの損益分岐点(約82歳)は、男性の平均余命の範囲内にあります。ただし、平均は個人の寿命を示しません。

健康診断の結果、持病、親の寿命。この3つを並べて、自分の見通しを持ちたいところです。

もう1つ、見方があります。「何歳まで生きれば得か」ではなく、「何歳まで安定した収入がほしいか」という見方です。繰り下げは、長生きしたときの収入の下支えになります。

繰り下げ期間中の生活費と貯蓄額を確認する

繰り下げ中は、年金が1円も入りません。70歳まで待つなら、65〜70歳の5年間(60か月)の生活費を、ほかで賄う必要があります。月の生活費が28万円、再雇用の手取りが22万円なら、不足は月6万円です。

60か月で360万円になります。この額を貯蓄から出して、70歳以降の生活に残る資金があるか確認しましょう。

貯蓄の取り崩しが大きいと、年金が増えても老後の資金が薄くなります。本末転倒です。待機中の収支は、5年分を表にして確かめておきましょう。

収入が足りなくなったら、繰り下げをやめて受け取り始める道もあります。この仕組みは、よくある質問で説明します。

加給年金・振替加算への影響を確認する

加給年金は、厚生年金の加入期間が20年以上ある方に、65歳未満の配偶者がいる場合に付く加算です。令和8年度の金額は、配偶者分が243,800円。生年月日に応じた特別加算(36,000〜179,900円)が上乗せされ、合計は最大423,700円です。

配偶者が65歳になると、加給年金は終わります。妻が老齢基礎年金を受け取れる場合は、振替加算に切り替わることがあります。振替加算の対象は、昭和41年4月1日以前に生まれた方です。

老齢厚生年金を繰り下げている間は、加給年金を受け取れません。後から取り戻す手段もない点が要注意です。日本年金機構も、そう案内しています。

夫が65歳のとき、妻が63歳だとします。加給年金の対象は妻が65歳になるまでの2年間で、最大約84.7万円です。70歳まで繰り下げれば、この全額を失います。年240万円の例では、損益分岐点が約82歳から約82.7歳に遅れます(概算)。

老齢基礎年金だけを繰り下げ、老齢厚生年金を65歳から受け取れば、加給年金は受け取れる見込みです。条件は個人で異なるため、年金事務所で確認しましょう。

在職老齢年金による支給停止の有無を確認する

65歳以降も厚生年金に加入して働くと、賃金と老齢厚生年金の合計額が支給停止調整額を超えたとき、超えた分の半分が支給停止になります。令和8年度の支給停止調整額は65万円です。賃金は、賞与を月に換算した額を含みます。

月55万円の賃金と月15万円の老齢厚生年金なら、合計は70万円。65万円を5万円超えるため、2.5万円が停止されます。これは仮の数字です。

老齢基礎年金は、支給停止の対象になりません。肝心なのは、繰り下げとの関係です。支給停止になった部分は、増額の対象に入りません。待機中に働いて停止された分は、いくら待っても増えないということです。

給与が高い再雇用で働く方は、この影響を受けやすい立場です。厚生年金の繰り下げは、停止額を差し引いた上で増額が計算されます。損益分岐点は、額面の早見表より遅れます。

遺族厚生年金への影響を確認する

夫が繰り下げて増えた年金は、妻が受け取る遺族厚生年金には反映されません。日本年金機構の案内にある内容です。遺族厚生年金は、夫の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3が目安になります。夫の報酬比例部分が年120万円なら、妻が受け取るのは年90万円です(仮の数字)。

夫が70歳まで繰り下げて42%増えても、妻が受け取る遺族厚生年金は90万円のままです。ただし65歳以上の妻は、自分の老齢厚生年金との調整が入ります。

繰り下げ待機中に夫が亡くなった場合も、65歳時点の年金額で決まります。増額は引き継がれません。

専業主婦の妻がいるご家庭では、夫の繰り下げ増額が、夫が元気な間だけの上乗せである点を押さえておきましょう。夫が亡くなった後の妻の生活費は、別に試算します。

老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に繰り下げるか確認する

老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々に繰り下げられます。これは日本年金機構が案内している仕組みです。片方だけを繰り下げる、別々の年齢で繰り下げる、といった組み合わせも認められます。

老齢厚生年金を65歳から受け取り、老齢基礎年金だけを70歳まで繰り下げる。この方法なら、加給年金を受け取りながら、基礎年金の増額も得られます。

令和8年度の老齢基礎年金は、満額で月70,608円(年約84.7万円)。70歳繰り下げで年約120.3万円になり、年に約35.6万円増えます。

在職老齢年金の停止は、老齢厚生年金だけが対象です。働き続ける方は、基礎年金だけを繰り下げれば、停止の影響を受けずに増額できます。ただし、共済組合の年金もある方は、老齢厚生年金を同時に繰り下げる必要があります。

年金繰り下げの損益分岐点に関するよくある質問

繰り下げを決める前に、不安になりやすい点は2つです。待機中に万一のことがあった場合と、途中で気が変わった場合です。どちらも、手続きの仕組みを知っておけば、慌てずに済みます。

繰り下げ待機中に亡くなった場合、年金はどうなる?

繰り下げ待機中に亡くなっても、年金は消えません。遺族が未支給年金を請求でき、65歳時点の年金額で決まった過去分が一括で支払われます。増額分は支払われません。

請求できるのは、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹・3親等内の親族の順です。請求から5年以上前の分は、時効で受け取れません。

繰り下げの請求の手続きそのものは、遺族が代行できない決まりです。受け取った未支給年金は、一時所得として確定申告が必要になる場合があります。「損益分岐点の前に亡くなると損」という不安は、待機中の死亡でも、65歳時点の年金額までは戻ります。

繰り下げをやめたい場合、取りやめやさかのぼり受給はできる?

繰り下げ待機中でも、手続きをすれば、その時点から年金を受け取り始められます。増額率は、手続きをした月が基準です。70歳に達した後は、65歳にさかのぼって請求する選択肢もあります。

この場合、請求の5年前に繰り下げを申し出たものとみなされ、増額された年金を5年分、一括で受け取れます。これが、特例的な繰り下げみなし増額です。

80歳以後の請求や、請求の5年前以前から障害年金や遺族年金の受給権がある方は、この特例の対象外です。過去分の一括受給は、医療・介護の自己負担、保険料、税金に影響する場合があります。受け取る時期は、手続きの前に年金事務所へ確認しましょう。

まとめ|損益分岐点は額面と手取りの両方で確かめてから、受給開始年齢を決める

額面の損益分岐点は、繰り下げ開始年齢の約12年後です。66歳なら約78歳、70歳なら約82歳、75歳なら約87歳です。手取りで見ると、0.5〜2年ほど遅れます。

加給年金を失う方や、在職老齢年金で支給停止になる方は、さらに後ろにずれます。遺族厚生年金には、増額が引き継がれません。

決める前に、次の3つを手元に置いてください。

  1. ねんきんネットで、65歳時点の見込額と、受給開始時期ごとの試算を確認する
  2. 待機中の生活費を、5年分の表にして確かめる
  3. 加給年金や在職老齢年金が絡む方は、年金事務所に相談する

額面と手取りの両方の分岐点を、自分の数字で出す。そのうえで健康状態と家計に照らして決めた受給開始年齢なら、後で振り返っても納得しやすくなります。

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この記事を書いた人

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種資格保有。金融・保険・年金・税金・不動産分野を中心に、これまで1,000本以上の記事を執筆。金融記事の監修や編集にも携わり、公的機関の資料や一次情報をもとに、専門的な制度や仕組みをわかりやすく解説しています。

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