MENU

iDeCoと小規模企業共済はどちらがお得?併用についてや受け取り方も解説!

「iDeCoと小規模企業共済、どちらを選べばいいの?」
「両方とも節税効果があるって聞くけど、併用はできるの?」

このような疑問をお持ちではありませんか?

自営業者や経営者にとって、老後資金の準備は重要な課題です。iDeCoと小規模企業共済は、どちらも税制優遇を受けながら将来に備えられる魅力的な制度ですが、それぞれ特徴が異なります。

そこで本記事では、以下の内容について詳しく解説します。

  • iDeCoの特徴
  • 小規模企業共済の特徴
  • 受け取り方のポイント

ぜひ参考にしてみてください。

目次

iDeCoと小規模企業共済の概要をかんたんに紹介

iDeCoと小規模企業共済は、自営業者や中小企業経営者の老後資金形成を支援する制度です。

iDeCoは、自分で決めた掛金を投資商品で運用し、60歳以降に受け取る仕組みです。掛金は全額所得控除となり、運用益も非課税というメリットがあります。

一方、小規模企業共済は中小企業経営者のための退職金制度です。

毎月1,000~70,000円までの掛金を積み立て、廃業や退職時に共済金として受け取れます。

小規模企業共済とiDeCoに共通するのは、掛金が「小規模企業共済等掛金控除」に該当し、全額所得控除の対象になるという点です。

iDeCoと小規模企業共済ともに、直近の所得税や住民税の税額を下げる効果がある制度といえるでしょう。

iDeCoの特徴

効果的なiDeCoの活用を実現するために、次の4つのポイントを押さえましょう。

  1. 運用益が非課税になる
  2. 受取時に税制優遇を受けられる
  3. 運用商品を自分で選べる
  4. 原則60歳まで資金を引き出せない

各ポイントについて詳しく説明します。

1. 運用益が非課税になる

iDeCoは、老後資金形成を税制優遇で支援する制度で、運用で得た利益に対して税金がかかりません

通常、株式投資や投資信託の運用益には20.315%の税金が課されますが、iDeCoでは全額非課税となります。

たとえば、10万円の運用益が出た場合、一般の投資なら20,315円が税金で引かれますが、iDeCoではこの金額がひかれることはありません

運用益が非課税になるメリットは、長期間の複利効果と相まって、資産形成に大きな差をもたらすことです。

とくに、運用中の利益確定時にも課税されないため、市場状況に応じて柔軟に運用できます。

iDeCoの非課税メリットは、少額からでも効率的に老後資金を増やせる強力な武器となるでしょう。

2. 受取時に税制優遇を受けられる

iDeCoを使えば、受取時にも税制優遇があります。受取方法は、一時金年金または2つの併用から選択できます。

一時金として受け取る場合は「退職所得控除」が適用され、所得税・住民税の負担が軽減されます。退職所得控除額は、以下のとおりです。

一方、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されます。

この控除額は受給者の年齢や収入によって異なりますが、65歳未満なら60万円65歳以上なら110万円までが非課税です。

このように、iDeCoは拠出時だけでなく受取時にも税制優遇を受けられるため、長期的な資産形成に有効な制度といえるでしょう。

3. 運用商品を自分で選べる

iDeCoでは、自分の判断で投資先を選択できます

加入する金融機関によって提供される商品は異なりますが、主に元本確保型の定期預金や保険商品・値動きのある投資信託などから選べます。

リスク許容度運用期間将来の目標に合わせて商品を組み合わせることも可能です。

たとえば、若いうちはリスクを取って株式中心で運用し、退職が近づくにつれて安全性の高い金融商品へシフトするといった戦略も取れます。

また、運用中でも商品の見直しや入れ替えが可能なため、経済状況や自身のライフプランの変化に対応できるでしょう。

4. 原則60歳まで資金を引き出せない

iDeCoは、原則として60歳まで資金を引き出せません途中引き出しが制限されているため、短期的な資金需要には対応できない点に注意が必要です。

ただし、例外として障害給付金の受給要件に該当する場合や死亡時には60歳前でも引き出し可能です。

このような特別な事由や脱退一時金の要件に該当しない場合は、いかなる理由があっても中途で解約できません。

住宅購入や教育資金など、ライフイベントのための引き出しも認められていない点がほかの制度と大きく異なります。

ただし、裏を返すと60歳までの引き出し制限があるおかげで、途中でやめることなく老後資金形成のために長期間運用できるという見方もあります。

小規模企業共済の特徴

ここでは、小規模企業共済の特徴を4つのポイントに絞って見ていきましょう。

  1. 経営者や個人事業主の退職金制度として活用できる
  2. 低金利の貸付制度が利用できる
  3. 共済金の受け取り方法が選べる
  4. 途中解約も可能だが条件によっては元本割れのリスクがある

小規模企業共済をかしこく活用するために、制度の背景を押さえておくことは大切です。

1. 経営者や個人事業主の退職金制度として活用できる

小規模企業共済は、経営者や個人事業主が将来の退職金を確保できる国の制度です。

掛金は、月額1,000~70,000円まで自由に設定でき、事業主の資金状況に合わせて柔軟に変更できます。支払った掛金は、全額が所得控除の対象となり、節税効果が得られるのも大きなメリットです。

共済金の受取方法には、一括払いや分割払いなど複数の選択肢があり、受取時の状況に応じて選べます。

廃業や退職時には共済金を受け取れるため、老後の生活資金として活用できるでしょう。

一括受取りの場合は退職所得控除を使えます。また、分割受取りの場合は公的年金等の雑所得扱いとなります。

小規模企業共済は、自営業者のセーフティネットとして、安定した将来設計を支える重要な制度です。

2. 低金利の貸付制度が利用できる

小規模企業共済には、事業資金の調達を支援する低金利の貸付制度があります。

共済契約者は、事業資金が必要になった際に一般の金融機関より有利な条件で融資を受けられるのが大きなメリットです。

貸付制度には「一般貸付」「緊急経営安定貸付」「傷病災害時貸付」など複数の種類が用意されています。

それぞれの制度の特徴は、以下のとおりです。

項目一般貸付緊急経営安定貸付傷病災害時貸付
貸付限度額10万円~2,000万円50万円~1,000万円50万円~1,000万円
利率年1.5%年0.9%年0.9%
特徴事業に必要な資金、または生活資金資金繰りが困難なときに、経営の安定を図るための資金病気・災害時に経営の安定化を図るための資金
※2025年6月時点

返済期間は最長5年と余裕があるだけでなく、担保が不要である点も特筆すべきポイントです。

小規模企業共済の貸付制度は、中小企業経営者や個人事業主の強い味方として活用できる便利な制度といえるでしょう。

3. 共済金の受け取り方法が選べる

小規模企業共済では、共済金の受け取り方法を事業主の状況に合わせて選べます。

一括で受け取る方法では、退職金のように一度に大きな資金を受け取れます。

分割で受け取る場合は、2ヵ月ごとに一定額を年金のように受け取ることで、安定した収入源を確保できるでしょう。

一括と分割を組み合わせた受け取り方法も選択可能であり、必要な資金と定期的な収入を両立できます。

受取時の課税については、一括受取の場合は退職所得分割受取の場合は公的年金等の雑所得として扱われます。

とくに、一括受取では退職所得控除を利用できるため、事業の年数が長ければ長いほど大きな額を控除できるのも魅力です。

4. 途中解約も可能だが条件によっては元本割れのリスクがある

小規模企業共済は、途中解約が可能ですが解約条件によって受取金額が大きく変動します。

加入後1年未満での解約では解約手当金は一切受け取れず、掛け捨てとなります。

加入期間が長くなるほど解約手当金の支給率は上昇し、20年以上経過すると元本割れのリスクは解消されるでしょう。

とくに、共済事由(廃業や退任など)による解約では、掛金総額に応じた共済金が満額支給されます。

一方、任意解約の場合は解約手当金となり、共済金より少ない金額となるのが一般的です。

また、掛金を滞納すると強制解約となる恐れがあるため、継続的に支払うことが求められます。

小規模企業共済は、長期的な資産形成を目的とした制度であり、短期での解約は経済的メリットを大きく損なうことになるでしょう。

iDeCoと小規模企業共済は併用可能

iDeCoと小規模企業共済は、それぞれの制度を同時に利用できます。

iDeCoは、個人型確定拠出年金として老後資金を積み立てる際に税制優遇を受けられる制度です。一方、小規模企業共済は事業主の退職金制度として機能し、掛金は全額所得控除の対象です。

両制度を併用すれば、税制メリットを最大化しながら将来の資産形成を進められます。

iDeCoの年間拠出限度額は、働き方によって異なります

具体的には、以下のとおりです。

iDeCoは、60歳まで原則引き出せませんが、小規模企業共済は事業廃止時や退職時に受け取り可能です。

資産運用の観点では、iDeCoは自身で投資商品を選択するのに対し、小規模企業共済は予定利率で運用されます。

両制度の特徴を理解したうえで資産をバランスよく配分すれば、かしこく資産を運用できるでしょう。

iDeCoと小規模企業共済を併用した際の受け取り方

iDeCoと小規模企業共済を受け取る際は、次の3つのポイントを押さえることが大切です。

  1. ライフプランに合わせて戦略的に受け取る
  2. 受け取り順序を工夫して税制優遇を最大限活用する
  3. 同時に受け取ることによる税負担を回避する

各ポイントについて詳しく説明します。

1. ライフプランに合わせて戦略的に受け取る

iDeCoと小規模企業共済を併用する場合、ライフプランに合わせた受け取り方を設計することが重要です。

iDeCoと小規模企業共済ともに、一括受け取り分割受け取りが選べます。一括受け取りは、退職所得控除が適用され、まとまった資金として活用できます。

一方、分割受け取りは公的年金等控除が適用され、安定した収入源となるでしょう。

両制度の特性を理解し、税制優遇を最大限に活用する戦略が必要です。

受け取り方を工夫することで、税負担を軽減しつつ老後資金を運用しながら取り崩せます。

2. 受け取り順序を工夫して税制優遇を最大限活用する

iDeCoと小規模企業共済は、受け取り順序を工夫することで税制メリットを最大化できます。

受け取り方で外せないポイントは、iDeCoを受け取ってから小規模企業共済を受け取ることです。

小規模企業共済を先に受け取ってその後iDeCoを受け取る場合、19年ルールが適用され、税制上非常に不利になります。

19年ルールとは…
2022年4月1日から導入されたルール 小規模企業共済を先に受け取った場合、その後19年間はiDeCoの退職所得控除が制限される。

この19年ルールを逃れるためには、小規模企業共済より先にiDeCoから受け取る必要があります。

3. 同時に受け取ることによる税負担を回避する

iDeCoと小規模企業共済の受け取りは、時期をずらすことで税負担を軽減できることも押さえておきましょう。

両制度から同時にお金を受け取ると、合算された収入に対して累進課税が適用されます。

とくに、退職所得控除を使うiDeCoの一括受け取りと、小規模企業共済の一括受け取りを同じ年に行うと税負担が増大するでしょう。

たとえば、iDeCoと小規模企業共済を両方一括で受け取る場合、iDeCoを受け取ってから5年経過したあとに小規模企業共済を受け取ることが大切です。

受け取り時期を5年以上ずらすことで、5年ルールの適用から逃れられ、退職所得控除を最大限活かせます。

5年ルールとは…
退職所得控除の二重利用を防止するために設けられた規定。5年以上の期間を空けて他の退職金を受け取れば、それぞれに対して別々に退職所得控除を適用できる。

ただし、2026年1月1日以降は、5年ルールが10年ルールに変更される点に注意しましょう。

両制度の特性を理解し、自身の退職後の収入計画に合わせた受け取り方を選択することが重要です。

iDeCoと小規模企業共済は掛金が所得控除になる魅力的な制度

iDeCoと小規模企業共済は、どちらも掛金が全額所得控除の対象となり、大きな節税効果を得られます。

受け取り時期や順序を工夫すれば、退職所得控除や公的年金等控除を活用して税負担を軽減することも可能です。

自営業者や経営者にとって、これらの制度は将来の安心を築く強力な武器となるでしょう。

まずは、自分の事業形態や将来設計に合わせて、どちらかひとつからでも始めてみることをおすすめします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次